iPhone7 インカメラケーブル交換修理
みなさまこんにちは!
あいプロベイシア名古屋みなと店の店長でございます。
本日は、愛知県名古屋市東区からお越しいただきましたお客様の
iPhone7を修理いたしましたので、ご紹介していきたいと思います。
このコロナ禍の中、ホームボタンが廃止されたiPhoneX以降のfaceID(顔認証)ではなく、
ホームボタンが搭載され、TouchID(指紋認証)が使用できるモデルの修理依頼が増加中でございます。
特に、iPhone7、8、SE2(2020年モデル)の3機種が増加傾向にあります。
やはり、このコロナ禍でマスク生活が余儀なくされる中、顔認証でのロック解除の制度が悪くなってしまい、
本来の利便性とは逆に、煩わしくなってしまっているのが現状です。
その点、指紋認証であればマスクをしていようがしていまいが関係がありません。
指を置けば、勝手に認証されロック解除ができます。
この利便性を求め、iPhoneX以降のモデルからiPhone8以前のモデルへチェンジされる方もいるくらいです。
今回のお客様も、今まではiPhoneXRを使用していたが、顔認証の制度がひどく毎回手動でロックを解除してきたんだそうです。
それが面倒でストレスになってきたので、以前使っていたiPhone7に変えようと考えたそうです。
以前使用してきたiPhone7は、バッテリーの持ちが悪くなり更新月のタイミングもあって、修理はすることなく
iPhoneXRへ機種変更したので、再び使用するにあたって、iPhone7のバッテリー交換をご自身でしようと思い、
バッテリーを通販サイトで購入し、修理をしようとしたところケーブルが千切れてしまったとのことでした。
あいプロでは、こうした修理をしようとして失敗してしまった場合でも、修理を受け付けておりますので
安心してご相談くださいませ!!
それではさっそく修理の方、始めて参ります!!
0:修理前動作チェック
まずは修理を始めるにあたり、修理端末の動作チェック(修理過程で触るところ)を行います。
・起動はするか
・液晶の映りに問題は無いか
・タッチ機能に問題は無いか
・インカメラの動作
・通話時、相手の声が聞こえるかどうか&端末を顔に近づけた時、画面が暗転するかどうか
・ディスプレイ輝度が自動調節されるかどうか(設定による)
・ホームボタンの動作&指紋認証の動作
以上の項目は、修理の過程でケーブルなどに力を加えることになるところです。
そこの動作を事前に確認することで、修理前から壊れていたのか、修理の作業中に故障してしまったのか、について
お客様とトラブルになることを防げます。
※修理の過程で触れることのない箇所に不具合が出てしまった場合、当店では保障の対象外と
させていただきておりますので、ご理解ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
今回、修理をしようとしてケーブルを切断させてしまったとのことでしたが、
動作確認をしてみて、インカメラが全く動作しないことが分かりました。
ですので、恐らく、インカメラケーブルを切断させてしまったのだと推測ができます。
1:画面を開く
まずは端末の電源を落とします。
次に、ライトニングコネクタ(充電差込口)の両サイドにある、2つのネジを取り外します。
この2つのネジが、画面とフレームとを固定しているネジになります。
ここのネジは通常の+ネジではなく、ネジ溝が星形になっている特殊ネジ(トルクスネジ)になります。
ですので、ここのネジを取り外すときは、ネジ穴と同じ形状の星形ドライバーが必要になります。
星形ドライバーは普通のドライバーセットや精密ドライバーセットには入っていないので、
ご自身で修理なさる場合は、別途購入が必要になります。
2つのネジを取り外したら、次はヘラを画面とフレームの間に入れ込みます。
そして入れ込んだヘラで画面を少しだけフレームからてこで浮かせます。
浮かせて出来た隙間に、指の爪(もしくはピック)を差し込みます。
そして差し込んだ指の爪をフレームの縁に沿ってスライドさせていくことで、画面をフレームから剥離することができます。
もちろんピックでもOKなのですが、iPhone6s以降のモデルに関しては、画面とフレームとの間の四隅に
防水or防塵機能を担ったパッキンが張り付けてあります。
このパッキンには粘性が非常にあり、画面側とフレーム側に付着しており、画面とフレームを接着させております。
※先ほど取り外した星形のネジ2つが本来は画面をフレームに固定させているのですが、
パッキンが取り付けられたiPhone6s以降のモデルに関しては、実質、このパッキンが画面とフレームとを接着させております。
なので、画面とフレームの隙間に差し込むときにピックのような少しぶ厚めの道具を使用すると、その厚み分の負荷を
液晶に与えてしまい、最悪、液晶損傷につながるリスクがあるので、あいプロでは、指を爪を使用しております。
4辺すべてに爪をスライドさせて、パッキンの粘着を断ち切ることができたら、画面を右側に開きます。
この時の注意点としては、画面を開きすぎないこと。
この時はまだ、画面と本体はケーブルにて接続されており、画面を開きすぎるとそのケーブルが断線してしまいます。
目安としては、本体に対して90度までです。
画面を開くと、推測通りインカメラケーブルが根元から千切れておりました。
ケーブルの根元にはコネクタがあり、それが接続されバッテリーからの電力が供給されてはじめて動作するものなので、
この状態だとインカメラケーブルが機能が使えない、ということです。
インカメラケーブルには、インカメラ以外にも、近接センサーと環境光センサーが一体化になっているので、
これも使用できないことになります。
近接センサーには、物体が接近したことを非接触で感知できるセンサーで、
環境光センサーは、外の明るさを検知するセンサーになり、このセンサーパーツが使えないor故障していると、
通話時に端末を顔に近づけても、画面が暗転せず耳や頬で画面を誤タッチしてしまったり、
ディスプレイ輝度の自動調節機能が使えなくなってしまいます。
また、ケーブルとは一体型にはなっておりませんが、同じ個所に、イヤースピーカーも設置されております。
このイヤースピーカーは読んで文字の如く、耳のスピーカーです。役割としては、通話時に相手の声が出るところです。
イヤースピーカーは、インカメラケーブルから電力を供給されて駆動するパーツなので、ケーブルが千切れると、
バッテリーからの電力供給が遮断されてしまい、イヤースピーカーも動作を停止してしまいます。
故障個所が特定できたので、これより、インカメラケーブルの交換修理を行っていきます。
2:各コネクタを外す
続いて、バッテリーのコネクタを外していきます。
バッテリーのコネクタは銀色のシールドプレートによって隠れているので、
まずはこのシールドプレートを取り外します。
といっても、ネジ数個で固定されているだけなので、ネジを取り外せば、プレートも取り外せます!!
バッテリーのコネクタが見えましたね!!
そしたら、ピンセットの先端をバッテリー側からコネクタに向かって入れ込みます。
そして、てこでコネクタを浮き上がらせるようにして、接続を外します。
注意点としては3つ!
1つは、コネクタを外すときは必ず一番最初にバッテリーのコネクタを外すこと!
バッテリーのコネクタは言わば電力の供給元になります。なので、バッテリーのコネクタが接続されている以上、
端末は通電状態となり、通電状態のまま他のコネクタを外したり接続したりすると、コネクタが設置されている基板に
負荷をかけることになり、最悪の場合、ショートを引き起こし故障させてしまいます。
2つ目は、ピンセットでバッテリーを刺さないこと!
バッテリーのコネクタをピンセットで外すときに、誤ってバッテリーに刺してしまい、穴を開けてしまうと、
穴から酸素がバッテリー内部のリチウムイオン電池と結合することで化学反応が起こり、発煙や発火します。
発煙でもパニックですが、発火してしまうと、端末は丸焦げになってしまうので注意です⚠
3つ目は、コネクタの接続部分に、金属製の道具を触れさせないこと!!
今回のようにピンセットなど金属製の道具でバッテリーのコネクタを外す場合は、必ずケーブル部分にピンセットを
引っかけるようにしてコネクタを外しましょう。
前述したとおり、通電状態のときに金属製など電気を通す道具をコネクタ接続部分に触れさせてしまうと、
通電してしまい、これも最悪、ショートを引き起こし、基板が故障してしまいます。
※基板がショートすると、内部データをサヨナラしなくてはならなくなってしまうので、注意です。
バッテリーのコネクタを外したら、一緒にシールドプレートに覆われていた、画面側のコネクタ2つ(液晶、デジタイザー)を
外します。
使用するのは、スパジャ(絶縁仕様のヘラ)です。
バッテリーのコネクタを外しているので、金属製のヘラでもコネクタを外すことは可能なのですが、金属製なので硬く、
コネクタの接続部分を損傷させるリスクがあるため、スパジャ(比較的柔らかい)を使用します。
本来であれば、バッテリーのコネクタと同様に、インカメラケーブルのコネクタもシールドプレートを取り外してから
コネクタを外すのですが、今回はケーブルが千切れてしまっているため、これにて画面とフレームとを分離することができました!
3:インカメラケーブルの取り外し
続いて、ケーブルが千切れてしまっているインカメラケーブルを取り外してまいります。
まずは、インカメラケーブルとイヤースピーカーを固定しているシールドプレートを取り外します。
ここのシールドプレートはネジ3つで固定されているのですが、それぞれネジの長さが異なります。
交換して再度締めなおすときに、取り付ける場所を間違えると、ネジが画面側へ貫通してしまい、
画面に穴が開いているようになり、美観が損なわれてしまうので、取り外したネジは同じ位置で置いておくと良いでしょう!
次にイヤースピーカーを取り外します。
イヤースピーカーも下側の2か所にネジが留められているので、これも取り外して、ピンセットでつまみ取ります。
イヤースピーカーを取り外すときの注意点は特にありませんが、取り付けるときに注意が必要です。
下記画像をご覧ください。
インカメラケーブルとイヤースピーカーにそれぞれ金色のポッチが4つずつあるのがお分かりになりましょうでしょうか。
前述しておりますが、イヤースピーカーはここのポッチから電力を供給しておりますので、
インカメラケーブルを交換して組み立てるときに、金色ポッチの位置があっていないと、電力が供給されず
イヤースピーカーが動作せず、通話時、相手の声が聞こえません。
取り付けるときは、ポッチの位置合わせに注意です!!
※今回は取り外す必要はありませんが、画面交換の時は、インカメラの保護パーツも取り外す必要がございます。
このパーツには、インカメラを保護する役割と、ズレないようにするズレ止めの役割も担っております。
続いて、インカメラケーブルを画面から取り外していきます。
まずは、センサーパーツをヘラを取り外していきます。
ここのセンサーパーツは画面側の溝にはめ込まれるような形で取り付けられているため、
ヘラを垂直に入れ込み、掘り起こしてあげる必要がございます。
注意点としては、ここのセンサーパーツはとっても繊細で壊れやすいパーツとなっているので、
掘り起こすときは、丁寧に慎重にを心がけてください( ̄ー ̄)ニヤリ
ヘラでセンサーの本体部分を触るのはご法度です!!!
黒いケーブル部分は、画面側に接着されているので、無水エタノールを付着させたヘラで、接着を溶解させながら
取り外していきます!!
取り外したら、あとは新品のインカメラケーブルと交換するだけです!!
4:新品インカメラケーブルの動作チェック
完全に組み立て終わる前に、交換したインカメラケーブルの動作チェックを行います!
・インカメラの動作
・通話時の相手の声&端末を顔に近づけた時画面が暗転するかどうか
・ディスプレイ輝度が明るさによって自動調節されるかどうか(設定による)
その他にも、修理時に触った箇所の動作確認も行います。
・起動確認
・液晶の映り&タッチ動作
・ホームボタンの動作
チェックを行って問題が無ければ、完全に組み立てて、修理完了です!!
修理内容 : iPhone7 インカメラケーブル交換
修理時間 : 20分
修理料金 : 6980円(税込)
最後に
あいプロでは、インカメラケーブル交換だけではなく、画面修理やバッテリー交換、水没復旧など、様々な故障にご対応しております。
また、iPhoneの他にも、ipad、androidやゲーム機など様々な機種が修理可能ですので、修理のご依頼やご質問等ございましたら、
いつでも気軽にお問い合わせくださいませ👍